60代カップルの話








 私は決して(私と夫はどちらも60歳です)この時点でこのような手紙を書
いているなどと想像もできませんでした。

 数年間、妻が主導権を握ることについて、私の夫はますます頻繁に私に
彼の希望を言うようになりました。その考えは私にとって異質に感じられた
ので、私は彼の働きかけに反応することはありませんでした。
 我々は結婚して15年、そして私は今まで伝統的な妻でした − 従順で、
受動的で、そして彼に快適さを提供する役割でした。
 彼は社会で尊敬される、成功したプロフェッショナルです。仕事において
も、他の面でも、彼は男性的なイメージを持ちました。家でもそれは変わりま
せんでした。
 それと対照的に、私は常にいくぶん劣っているように感じました。私の学
歴は彼より劣っています。そして育児が私のキャリアの追求を妨げました。
彼の収入に依存していて、私は常に彼をアルファパートナーだと見なしまし
た。
 これは私の第3度目の結婚生活です、そして彼は私の最愛の人です。
 前の夫は私をいらだたせて、さらに虐待すると分かりました、そして、低い
自尊心と受動的な目立たない態度を私は身につけていきました。決して同
等として扱われないで、私の劣っている自己イメージはいつも強化されまし
た。
 一方では、私は彼が、男性のイメージに物足りない気がして幾分幻滅して
いました。
 彼の執拗な誘いかけに、少なくともベッドの中での行為には、少し興味を
ひかれるようになりました。
 私の空想は私を興奮させました、そして私は一方では罪悪感を感じました
が、これらは彼の考えていることなのだと納得しました。
 結局は彼は私をベッドでの若干のシンプルなゲームを試みるように誘い
ました。目隠しをする、軽い奴隷の身分、私が上になることなど。
 私にはためらいがありました。私はやっていることが変態的であると感じ
ました。それでも、主導権を握った時の陶酔感を忘れられませんでした。そ
れが恥ずかしく感じて、私は無関心を装いました。しかし彼は固執しました。


 ある日の前戯の間に大きな転機が来ました。
 彼は私に彼をスパンキングするよう頼みました。私はそれをやってみまし
た。しかし、私は彼を傷つけないよう、手加減をしていました。
 私は彼に、こういうことをするのは好きではないと言いました。
 彼の強い、隠しようのない失望は我々のセックスプレーを中断させまし
た。
 私はこれがなぜ彼にとってそんなに重要なものなのか知る必要があると
感じました。
 我々の結婚生活で、はじめて私は彼に命令を与えました。(2人ともびっく
りしました)
 私は彼に、飲み物を用意するよう命じ、そして彼のファンタジーをすべて私
に話すよう言いました。

 神経質に口ごもった後で、しばらくすると彼は泣き始めました。(そんな彼
の姿を見たのはたったの2回だけです)
 彼は彼が愛した女性によって支配されることについての深い、そして長い
間のファンタジーを持っていたこと、しかし、もはや私に愛されないのではと
絶望しているといいました。
 すすり泣きながら、彼は、結婚生活の中で、私が無理矢理主導権を握っ
てしまったら・・そして、私に服従したいというファンタジーを話しました。私は
言うべき言葉を失いました。
 私は一度も彼がそれほど素直に感情を表して、そして無防備でおびえて
弱そうに感じたことはありませんでした。私は、はじめ、彼が男らしさを失っ
てしまっていることに狼狽し、言葉を失っていました。私は静かに長い時間
彼を抱いて、そして慰めて、その時彼が正直に話してくれたことに感謝し
て、そして彼を理解しようとすることを約束しました。
 我々はしばらくの間気まずくて、そのことについて話し合うことはありませ
んでした。そんな頃エリス・サットン著「Female Domination」を見つけました。
私は最初、それが不可解に感じました。少なからず強烈で、そして脅迫的に
思えましたので。
 けれども私はそれを我慢して、そして同時に私にとって助けになり、慰め
になる部分を発見しました。

 私は読んで、そして繰り返して読むうちに、私はそれに魅了されてくること
を感じました。我々の結婚生活の若干の部分の支配的な役割を引き受ける
ことによって、私はもっともっと私の新しい興奮を現実にすることを考え始め
ました。
 私の前に夫がひざまずき、私に従って、そして仕えなければならないの
は、一方では痛ましい感じがしました。しかし同時にそれはステキなことの
ようにも感じました。結局のところ、私は彼がそれを欲したことを知っていま
した。そして私自身もそれを欲するかもしれないと思い始めていましたから、
それは両者にとって幸せなことでしょう 
 興奮は大きくなりました、そして我々の以前の性生活は、まるでお粗末な
もののように感じられてきました。


 ついに、ある夜、前戯の間に、私は彼に、決定的な話を切り出しました。

 彼のファンタジーを話したことを覚えていたかどうか尋ねました。
 彼は、「もちろん」と答えました。
 私は彼がまだそのことを真剣に考えているか、そして私に主導権を譲り渡
す気があるかどうか尋ねました。
 静かな短い沈黙の後、「それはもうとても」と彼は言いました。
 私は彼に、もしこのことを始めるなら、戻ることはできないことを言いまし
た。我々の結婚生活のあらゆる場面でも私が支配し、私の決定が絶対で、
彼が無条件に私に従わなければならないであろうと言いました。
 彼はひざまずき、「Yes dear」と言いました。
 彼の声はうわずっていました。そして私は彼が震えていたのに気づきまし
た。彼が私よりいっそう緊張していたのを知って、それは、私に勇気を与え
ました。私は突然リラックスした自信と湧き出る力を感じ、気分がうきうきし
てきました。私はその瞬間、はじめて味わう実感に感動を覚えました。そん
な気持ちはまったく初めてのものでした。

 

 我々の新しい取り決めの最初の夜に、私はベッドが揺れているのに目を
覚まさせられました。彼はベッドの反対側で、手に負えないほどに(感激で)
すすり泣いていました。
 私は詰めて場所をあけて、そして、彼が眠りにおちるまで、無言で私の腕
に彼を抱きました。
我々はそれについて決して言葉を発しませんでした。


 彼は今、とても満足そうです。一方の私も、彼に会って以来、今ほど幸せ
であったことはありません。
 私は彼に家事仕事を命じ、彼はそれをします。そして、私はいつでも望ん
だときに彼に性的奉仕をさせ、満足します。彼はかつて一度もオーラルセッ
クスに興味を持ったことはありませんでした。しかし今、彼は私に命じられる
ままそれを提供します。そして私は気分が乗ったとき以外は彼に返す必要
はないのです。
 今、私たちの関係はどれだけ長く続くのか、そして私たちはこれからどこ
へ行くのだろうと思うときがあります。







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